日本ペンクラブ平和委員会主催「『憲法と平和』――どう考える9条」にTOSMOS会員が登壇しました

12月3日、日本ペンクラブ平和委員会主催のシンポジウム「『憲法と平和』――どう考える9条」にTOSMOS会員の鹿島健が登壇しました。このシンポジウムでは、日本ペンクラブ平和委員会委員長の梓澤和幸氏がコーディネーターを務められ、浅田次郎氏、金平茂紀氏、大城貞俊氏、中島京子氏が登壇されたほか、若者側からTOSMOSの鹿島健と、「PeaceNight9」の学生が登壇しました。

シンポジウムでは、コーディネーターの梓澤氏の発言の後、続いて鹿島が発言し、平和運動において若者の参加を促すことの重要性を説明しました。同時に彼は、その困難さを当事者の立場として語りました。彼はベ平連など現代の政治運動を研究テーマとしています。そして、そのことを説明するだけでも「デモをやりたいのか」とか「社会に出る気はあるのか」など言われる、と体験談を語りました。一方で、「海外の人と接すると、国の在り方は普通に話題に出てくる」と、日本にある政治的話題を封じる圧力の強さを強調しました。


浅田次郎氏は、戦後生まれで平和憲法が当たり前の中、高度成長期に青年期を過ごした自身を「幸運」と表現しました。戦後民主主義の洗礼を受けて間もない日本において、政治的自由に満ちていたということです。鹿島はこれを受けて、近年のあらゆる政治的話題において中立を要求する風潮について、「喋り辛さを感じる」と率直な言葉で表現しました。また、「PeaceNight9」の登壇者は、大学生には憲法問題を分からないと言う人が多い、と実感を語りました。


若者の意見に対し金平茂紀氏は、かつてのベトナム反戦運動に言及し、今の若者は昔に比べ、目の前に不正に対して怒るということが足りない、と発言しました。そして、どこか計算高く、行動に移すことが足りないのではないか、と指摘しました。


これに対して鹿島は、「現代の若者が、直接的に声を上げることは前の世代より少ないとしても、日々の厳しい生活を生き抜くことを通じて現実とたたかっている」と言い、若者の立場を擁護しました。また、「自分自身も組織で働くことを通じて、少しずつ社会変革を目指している」と決意を述べました。上記の他にも登壇者の発言は多数あり、大変盛り上がりました。

浅田氏が、戦争を体験した親とは互いの価値観を理解することは不可能、と指摘したように、時代が違えば同じ人間でも分かり合うことは困難です。互いの世代が、それぞれの置かれた時代と状況を語り合うことで、憲法と平和を巡る議論が深まったシンポジウムでした。

TOSMOS(東京大学現代社会研究会)

TOSMOSとは―「現代社会リテラシー」を育む TOSMOSは、多くの情報が錯綜する現代社会において世間に流されず主体的に価値判断するためのリテラシーを育むことを目指すサークルです。そのために授業やゼミで学ぶ専門的学問内容の枠に収まらない、幅広い教養を身につける活動をしています。

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